史学科のゼミ

「日本史演習」

STUDENTS VOICE

みんなで一体となり、
より良い研究に向かっています

吉田光伶

文学部史学科3年 福岡県・私立上智福岡高等学校 出身

「日本が急激な近代化を遂げたその背景にある先人たちの苦労や努力、そしてその努力が現代の日本にどうつながっているのか」を研究したいと思い、千葉功先生の「日本史演習」を選びました。元々学習院大学を志望したのも「千葉先生から学びたい」という動機からでしたので、現在先生の手厚い指導を受けられていることがうれしいです。このゼミでは学生が卒業論文の完成に向けてそれぞれのテーマに基づいて研究を進めており、3年生は卒論構想を順次発表していきます。発表後にはほかのゼミ生が様々な視点から積極的にコメントをするのですが、「一体となってお互いによりよい研究にしていこう」というこのゼミの雰囲気は、大きな魅力だと感じます。

ABOUT SEMINAR

伊藤博文に
「十六方美人」と揶揄された桂太郎

帝国主義者と立憲主義者
両方の顔を併せ持つ

安倍晋三首相の通算在職日数が2019年に憲政史上最長になりましたが、それ以前の歴代最長は桂太郎でした。桂は明治後期から大正初期にかけて3度の組閣を果たし、首相として日露戦争や韓国併合など歴史的な局面に対処した人物です。

元々軍人であり、外政では自国の利益や領土および勢力の拡大を目指す帝国主義者の顔を見せますが、内政においては法によって権力を制限する立憲主義者の顔をのぞかせます。また、晩年には衆議院だけではなく、貴族院や官僚組織、軍などあらゆる組織を束ねる大政党「立憲統一党」を構想するなど、とても協調的な側面もありました。周りと協調して民主的な政治を求めた伊藤博文は、八方美人だと揶揄された際に「それなら桂は十六方美人だ」と発言したほどです。

このような桂の人物像は教科書だけでは知ることができず、当時の書簡や日記、または回想録など複数の史料から読み取ることで浮かび上がってきます。そして読み取ったことと当時の政治制度や諸外国との関係性などが結びつくと、歴史的な視野はどんどん広がるでしょう。それが日本史演習で得られる経験のひとつといえます。

関心に合わせてテーマを決め
主体的に研究に取り組む

本演習では、2年次から史料批判や研究論文の読解方法といった基本的なテクニックを身につけ、独自性の高い卒業論文の完成を目指して研究を進めていきます。学生一人ひとり関心に合わせて研究を行うため、日本近代史の範囲内でも近代日本美術を紐解く学生や、1930年代の国際文化振興に迫る学生、さらには1970年代に焦点を当てる学生もいるなど、100人いれば100通りの研究テーマがあります。

4年次には史学科の全教員の前で卒業論文の口述試験をしますが、1年次の頃から見てきた学生が成長し、堂々とした受け答えをする姿には毎回胸を打たれます。主体的にテーマを決め、データを収集し読み解くことなどは、ビジネスでも求められることです。学生たちにはこの演習で得たことを糧に、社会で活躍していってほしいと思います。

千葉功 教授

東京大学大学院人文社会系研究科博士課程修了。昭和女子大学文学部講師を経て、2011年より現職。専門:明治〜大正期の日本政治外交史、桂太郎の伝記的研究、史学史研究など。