生命社会学|生命科学の発展と超高齢社会到来の可能性
2025.06.12
柳 茂 教授、理学部生命科学科1年、理学部生命科学科1年

講義テーマ:生命科学の発展と超高齢社会到来の可能性
生命科学研究の発展により、超高齢社会の実現可能性に注目が集まる一方で、社会や経済、法律、倫理などさまざまな分野において新たな問題を生み出す危険性も高まっています。本講義では、最先端の自然科学研究を紹介するとともに、超高齢社会の実現がもたらす可能性と課題について文理を超えた視点から学び、考えを深めます。
知の交流により、"自分らしさ"を育み社会で活きる力に
柳 茂 教授
理学部生命科学科
「生命社会学」では、バイオ技術の応用や再生医療など、超高齢社会がもたらす複雑な問題について、さまざまな分野から多角的に考察します。まずは自身の学科の学びで得た知識をもとに、自分なりの答えを模索。文理の枠を超えた学生同士のディスカッションを通じて新たな「知」を発見し、問題解決の糸口を探ります。本講義で行われる知の交流は、新たな視点を教えてくれるとともに、自分らしさに気づく大切なきっかけとなるはずです。皆さんには講義を通して、客観的事実を探究するための考え方と、自力で試行錯誤していく姿勢を身につけてほしいと思います。学習院大学で育まれる、自分自身で"考える力"と異なる知見を"融合する力"は、今後の社会において一人ひとりの存在価値を高めるものとなるでしょう。
異なる分野の視点を取り入れ問いに向き合い柔軟な思考を磨く
S.Aさん
理学部生命科学科 1年
東京都・学習院女子高等科出身
文系の先生からも学びを得られる点で、専門分野である生命科学を多角的に深められると感じ、本科目を受講。特に印象的だったのは、グループワークにおける文系学生との意見交換です。薬の開発には研究が最も重要と考えていましたが、消費者にその有用性を理解してもらい世の中に普及させるために、人の行動心理や法に基づいた安全性の検討も同様に重要であるとわかりました。専門分野の授業では考慮する機会が少ない、心理的・経済的な課題や、研究の発展に伴う法的・倫理的な問題について議論でき、非常に貴重な体験になりました。この経験は、専門分野を超えた多様な視点を受け入れ、正解のない問いに向き合う柔軟な思考力を高めるきっかけとなりました。将来は、こうした学びを活かして、社会に貢献できる生命科学研究を進めていきたいと考えています。
分野を超えた答えのない問いへの対峙が新たなアイデアを生む
R.Mさん
理学部生命科学科 1年
千葉県・芝浦工業大学柏高等学校出身
授業を通して学んだのは、正解がない問いに対して考えるのをやめないこと、知的な交流をすることの大切さです。文系の学生が独自の視点で生み出す多様なアイデアはとても刺激的で、いつも新たな気づきを与えてくれました。例えば、理系の私が当たり前と思っていても、文系の学生にとっては疑問の対象となる事柄もあります。「なぜそうなの?」と問われて初めて自身の理解不足に気がつき、生物学という学問の捉え直しにつながることも多々ありました。こうした体験のおかげで、思考の幅が広がったと感じます。また、毎回のディスカッションでは、他者の考えを尊重しつつ、自分の意見を主張する力が大いに磨かれました。今後は研究の第一線で最先端の知識を身につけ、年齢や文理を問わず誰もが科学技術を理解できる社会に貢献したいと考えています。
※所属・肩書等は取材当時のものです。