数学科|「数字の隠れたつながり」を見つけ出すプロセスこそが数学の醍醐味
2024.02.26
中島 匠一 教授、数学科4年
教員に聞く研究知
中島 匠一 教授
[専門]代数学(整数論)
正標数上の代数曲線を研究分野として、曲線の代数的基本群の性質や被覆のガロア群の表現の決定などに取り組んできました。近年は代数体の岩澤理論など純整数論的な研究も行っており、整数論の対象である代数体と代数曲線の類似性に着目して考察を深めています。当研究室においては、整数や素数が主役である初等整数論に関してコンピュータを使った大規模な数値実験を実施。得られたデータに対して統計的手法を用いて分布の特徴を探ります。その中で新たな法則を見出すことができたとき、数学の研究の面白さを実感するでしょう。自分の頭で考え、実行することで身につく主体性や思考力は、将来の実社会でも役立つと思います。
学生に聞く統合知
H.Tさん
東京都・都立江戸川高等学校 出身
無限と限りなく小さい数のあいまいさに興味を持ち、数学科を志望。現在は素数に関連する研究を進めており、計算機でとった統計データを分析することで仮説の検証を行っています。より信憑性の高い検証を行うためには、簡潔なプログラムを組んで計算機の負担を減らし、できる限り大きな数字を扱う必要があります。そのためには、さまざまな方法を模索し、多様な視点から数字と向き合わなければいけません。結果に結びつくプロセスが複雑な分、データから"整数の間の隠れたつながり"を見出せたときは大きな達成感を得ることができました。私の整数に対する尽きることがない知的好奇心を、卒業後は金融業界という新たなフィールドで深めていきたいと思います。
専門分野を究める
中島ゼミ
整数や素数が主役となる「初等整数論」が研究テーマ。取り上げる問題は小学生や中学生にも理解できる素朴なものですが、そこに潜む"未知のもの"を掘り起こし、追究します。
※所属・肩書等は取材当時のものです。