物理学科|物質の予想外な特性に着実に迫る物理学の奥深さ
2025.06.12
宇田川 将文 教授、物理学科4年

教員に聞く研究知
宇田川 将文 教授
[専門]数理物理、物性基礎
この世界で起こる事象は、物理法則によって制限されています。例えば磁石はN極とS極で構成され、同じ極同士は反発します。しかし、多くの原子や電子から成る物質の中では、物理法則から外れたような現象が見られることがあります。特定の条件下ではN極だけの磁石が存在したり、同じ極同士が引き付けあったりするようになるのです。このように、物性物理学には私たちを「だます」ような物質の仕組みに向き合う面白さがあります。私の研究室で主に扱うのは、独立した実体として振る舞う電子などが、ある条件下でいくつかの要素に分かれて振る舞う「分数化」という現象。近年は海外大学との共同研究が増え、学生たちは切磋琢磨しながらハイレベルな成果を生み出しています。
学生に聞く統合知
H.Kさん
愛知県・岡崎城西高等学校 出身
深い思考と論理的な探究が求められる点に惹かれて本ゼミを選択。宇田川先生は、私たちの理解があいまいな部分を的確に見抜いて質問を投げかけてくださいます。学生が自分の頭で考えられるように指導してくださるので、着実に理解を深められます。研究発表では内容をわかりやすく伝えるために、資料・原稿作成や発表の時間配分などにも注力。ゼミやミーティングの際には、参加者の貴重な時間をもらっているという意識を持ち、徹底したスケジュール管理を心がけています。これらを通じて、予定管理能力やプレゼンテーション能力が身につきました。卒業後は、大学院に進学する予定です。本学科で出合った理論物理学の奥深さをさらに追究していきたいと思います。
専門分野を究める
宇田川ゼミ/理論物理学研究室
物質の基本的な性質やその中で生じる現象を、数学的なモデルを通じて論理的に学びます。テキストの輪読やディスカッションによって理解を深め、4年次は1年間かけて卒業研究に取り組みます。
※所属・肩書等は取材当時のものです。