生命科学科|植物の進化の謎を実験と検証によって解き明かす
2025.06.12
清末 知宏 教授、生命科学科4年

教員に聞く研究知
清末 知宏 教授
[専門]植物分子生理学
植物は動物と異なり、自由に移動することができません。そのため、外部の環境変化に都度応答し、自身や仲間を守ってきました。本研究室では、そんな植物の目に見えない遺伝子レベルでの環境応答について調べています。私たちを含めた生物みんなが持っている生存戦略。その真相を明らかにするため、先行研究の論文を読んだうえで仮説を立て、実験によってその真偽を問います。検証の過程には謎解きのような面白さがあり、ロールプレイングゲームの感覚にも似ています。学生たちに望むのは、科学的な観点から物事を捉え、主体性のある学びを実践すること。定期的に開催しているセミナーの時間を有効活用し、研究室の仲間と考えを共有しあってほしいです。
学生に聞く統合知
C.Yさん
千葉県・日本大学習志野高等学校 出身
体内で起こる反応などの身近な未知を探究し、発見が日常に結び付くことはやりがいになると感じ、本学科へ進学しました。ゼミでは、植物がどのような生命メカニズムで種を守ってきたのかを分子レベルで解き明かしています。モデル植物をさまざまな環境条件下で栽培し、示した反応についてグループ実験を通して観察します。実験を行う中では、期待通りの結果が得られないこともしばしば。そのたびに冷静に原因を分析し、条件を変えて再度実験を行います。このような試行錯誤のサイクルによって得た論理的思考力と根気強さ、情報収集力は、研究生活の賜物。実社会においても、身につけたスキルを実務上の困りごとやクライアントが抱える課題の解決のために発揮したいです。
専門分野を究める
清末研究室
グループによるモデル観察・実験を通して、植物の環境応答について探究します。植物がどのように自身の種と仲間を守ってきたのか、仮説検証を行って調査します。
※所属・肩書等は取材当時のものです。