数学科|あらゆる問題の解決に通じる数学の論理的思考
2025.06.12
大鹿 健一 教授、数学科4年

教員に聞く研究知
大鹿 健一 教授
[専門]位相幾何学
位相幾何学は、物の形の大まかな特徴やつながり方を調べる学問です。長さや角度といった正確な数値にはこだわらず、図形がどのようにつながっているのかという性質に着目します。現在も発展中のこの分野は、高校までの数学とは大きく異なった発想に基づいており、計算などはあまり重要視されません。大切なのは、直感的なイメージで対象を捉えられるようになること。文献を理解するため、学生主体のセミナーで知識の共有を行い、行間を埋めながら専門書を読む力の強化にもつなげています。既存の考え方にとらわれない新しい発想に触れられることが、位相幾何学を学ぶ魅力。研究で培った発想力は、どの分野に進んでも大いに役立つでしょう。
学生に聞く統合知
Y.Iさん
沖縄県・昭和薬科大学附属高等学校 出身
数学の面白さを知ったのは、高校生のころ。ある本との出会いをきっかけに、論理の組み立てと計算によってひとつの答えを導き出せる数学の虜になりました。現在は、微分位相幾何学の文献を題材にした研究に没頭する毎日を過ごしています。研究によって身についた論理的思考力は、実生活における身近な問題の解決にも役立ちます。現実社会は数学と違って、ほとんどの問題に正解はありません。しかし、順を追って考え抜けば、よりよい解決策へと近づくことが可能です。卒業後はさらに知見を深めるために、大学院への進学を予定しています。大好きな数学に長くかかわれるように、これからも根気強く問題と向き合い、研究活動に邁進していきます。
専門分野を究める
大鹿ゼミ
位相幾何学を扱った文献について考察し、発表を通じて理解を深めます。あえて難しい内容の専門書を選び、学生同士の意見交換の場を設けることで、知識の定着を図ります。
※所属・肩書等は取材当時のものです。