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加速する宇宙ビジネスの法整備に挑む

2024.02.26

小塚 荘一郎 教授

prof. KOZUKA Souichirou

法学部 研究知

専門:商法・会社法・宇宙法

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宇宙開発の新時代が到来、急がれるルールづくり

 近年、宇宙開発は民間企業の参入が急速に進み、「New Space」※と呼ばれる新時代に突入しました。こうした宇宙ビジネスを支える「法律」が、私の研究対象です。例えば、人工衛星の打ち上げ事故が起きた場合どのように対処するのか。月で発掘した資源の所有権は誰にあるのか。ときには宇宙産業に携わる企業の方々と協議しながら、あらゆる場面で生じる法的問題を検討し、実際に日本の法律づくりもサポートしています。歴史上、人類は戦争や環境破壊を繰り返してきましたが、宇宙でも同じ過ちを犯してはなりません。宇宙を「正しく」「賢く」利用するためのルール整備が急務であり、その一翼を担う責任と使命感を胸に、日々研究に取り組んでいます。

※New Space:従来のように政府や宇宙機関が主導するのではなく、ベンチャー企業やIT企業など新興の民間企業が主体となって進める宇宙開発。

「未知の領域」に惹かれ、たどり着いた現在地

 私はもともと商法が専門ですが、未知のものに惹かれる性分もあり「新たな研究に誘われたらまずは飛び込む」ことを続けた結果、現在では宇宙ビジネスのほか、AIやメタバースに関する法律の研究も手掛けています。言わば想像もしなかった道を歩んでいるわけですが、その分、自分の世界も研究者としての幅も大きく広がりました。今、宇宙開発はAI活用が進んでいるため、法律学の分野でも両者を融合させることが今後の課題です。また、このように身近になりつつある宇宙ビジネスや先端技術を実践的に学ぶ場として、2023年度に文理融合科目「宇宙利用論」を開講しました。未知の世界の課題に挑戦したい人は、ぜひ受講してみてください。

PROFESSOR'S LIFE STORY

中学・高校 中学は文学少年、高校は歴史少年として過ごす。特に世界史が好きで、政治史に興味を抱き、東京大学法学部へ進学。
大学 政治学に熱中。法律学は好きではなかったが、当時新しかった「法と経済学」分野に関心を持ち、研究者を志す。
研究者の道へ 東京大学大学院法学政治学研究科の助手として、研究者人生をスタート。「フランチャイズ契約と法」に関する研究に着手。
転機となった誘い 2001年、ある国際機関から「日本の宇宙ビジネス法の専門家」の紹介を頼まれたが、適任者が見つからず自身で研究を開始。

※所属・肩書等は取材当時のものです。