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英語英米文化学科|コメディを題材に多様な言語表現を分析。英語力も向上!

2020.06.05

文学部 ゼミ紹介

平田 一郎 教授、英語英米文化学科4年

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STUDENT'S VOICE

コメディを題材に多様な言語表現を分析。英語力も向上!

K.Gさん

神奈川県・県立光陵高等学校 出身

1年次から本学科の言語・教育コースに進むことを決めており、2年次に言語・教育コースの専門講義を履修するなかで「語用論」に関心をもったことから、平田一郎先生のゼミで学びたいと思うようになりました。ゼミでは、アメリカのシチュエーション・コメディを題材に、エピソード内で使われている興味深い言語表現を分析しています。ゼミ生全員で同じエピソードを視聴していても、それぞれ注目する言語表現が異なることが面白く、作品を観る際に様々な表現に気づけるようになりました。また、この研究によって自然と英語力が向上することも魅力だと思います。今後もシチュエーション・コメディを含め、様々な作品を通じて語用論の研究を続けていきたいです。

ABOUT SEMINAR

一言の挨拶が「笑い」へとつながる、その理由とは

何気ない日常の言葉にも様々な意味が含まれている

面白い言葉の使い方をしているシーンがある、と学生が見つけてきた米国ドラマに、マイリー・サイラス主演の『シークレット・アイドル ハンナ・モンタナ』があります。主人公ハンナの兄ジャクソンが、家族を驚かせようと恐ろしい扮装をして家で待ち構えていたところ、帰宅したハンナは "Hey, Jackson." と、一言の挨拶のみで兄の扮装はスルーします。扮装については何も触れないことで、ハンナがジャクソンの扮装をつまらないと思っていることが伝わり、笑いを生むシーンでした。

私たちは普段無意識に言葉を使っていますが、このワンシーンのように何気ない日常会話のなかにも様々な意味が含まれています。こうした英語の日常会話のなかで「ある表現がどうしてそのような意味をもつのか」を考える語用論の研究をするのが私のゼミナールです。

どのように心の距離感を表現するかにも注目

"How are you? " "Fine"という挨拶の定型での"fine"は、辞書的には「大丈夫ですよ」という意味で気分がよいことを表現しています。しかし、口語では怒っているときにも使われ、文脈によっては「もうけっこう!」という意味ももちます。

また、私は授業では「です・ます調」の丁寧語を心がけていますが、授業後は「今度の懇親会どこでやる?」とくだけた言葉遣いになることも。日本語では「です・ます調」を選択するかしないかで心理的な距離を表現できます。では「です・ます調」のない英語では、どのように人との距離感を表現しているのでしょうか? 例えば、「お父さん」を意味する"father"には、少し距離感がありますが、"dad"には親しみを感じます。このような言葉の使い分けに注目するなどして研究を進めます。

今年度のゼミナールでは、『フルハウス』というシチュエーション・コメディを教材に、学生に面白いと感じたフレーズを分析・発表してもらっています。このゼミナールを通じて、言葉の分析力はもちろん、たくさんの英語表現も身につくことを期待しています。

平田 一郎 教授

筑波大学博士(言語学)、東京都立大学大学院修士課程修了。University of California,San Diego校客員研究員などを経て2017年度より現職。専門:理論言語学、語用論、意味論。

※所属・肩書等は取材当時のものです。