心理学科|心の探究を通して見えてくる、他者の価値観や自分の変化
2024.06.10
北山 純 教授、心理学科4年
教員に聞く研究知
北山 純 教授
[専門]臨床心理学
最近の心理臨床では、「悩めない」「ものごとを深く考えられない」といった特徴を持つ人が増えていると言われています。そんなケースでは対話が展開しにくいことも多いのですが、見た夢を報告してもらう、絵を描いてもらうなどのイメージを用いた心理療法を行うと、その人の「軸」が見えてくることや、むしろ「軸が持ちにくい」というその人の姿がくっきりしてくることもあります。一見あいまいで意味のとりづらいものが、人の心に触れるうえでは示唆的にもなりうるのが、臨床心理学の不思議で面白いところです。ゼミでは心理療法のプロセスを体験的に学習します。学生たちにとって、自分の一面に触れたり、他者の発言・反応から多くの気づきを得たりする場になるとよいと思っています。
学生に聞く統合知
M.Iさん
東京都・明治学院高等学校 出身
本ゼミではディスカッションを通して多様な価値観に触れ、また臨床心理士の実務経験豊富な北山先生から現場目線のアドバイスを受けることで、物事に対する考え方や捉え方は人それぞれであることを実感し、自身の視野が広がっていくのが感じられます。実体のない人の「心」を支援するとはどのようなことなのか。学んでいくうちに人との接し方や、自分との向き合い方も変化しました。卒業後は大学院に進学し、公認心理師資格を取得して、将来的には臨床心理学の専門家として働きたいという目標ができました。学んだ知識を活かして幅広い視点を持ち、これから出会う物事や人々を理解していきたいと思います。
専門分野を究める
臨床心理学ゼミナール
専門書の輪読やディスカッションを通して臨床心理学の基礎を修得。心理テストやロールプレイなど豊富な実習から、心理療法のプロセスを実践的に学びます。
※所属・肩書等は取材当時のものです。