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フランス語圏文化学科|知識と想像力を手掛かりに、物語に描かれた文化や思いを紐解く

2024.06.10

文学部 ゼミ紹介

内藤 真奈 准教授、フランス語圏文化学科4年

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教員に聞く研究知

内藤 真奈 准教授

[専門]20世紀フランス小説、写真論、病気表象

視覚障害というテーマは西洋では哲学や宗教とも結びついており、芸術分野において重要視されてきました。視覚を持たないとは、どういうことか。視覚に頼って暮らしている人間がそれを理解するには、知識はもちろん、想像力を働かせなければなりません。他者の視点で書かれた文学作品を読むことは、相手の立場になって思いを巡らすトレーニングでもあり、知的関心と想像力が刺激されます。ゼミではまず、各自がこれまで鑑賞したことのある作品の中から「視覚障害」を扱ったものを取り上げ、口頭発表を行います。さまざまな作品における視覚障害者の描かれ方を知る中で、このテーマが実は身近で、多様な表象を持つことに気づけるでしょう。

学生に聞く統合知

Y.Oさん

神奈川県・県立希望ケ丘高等学校 出身

本ゼミではテクストを精読するだけでなく、登場人物たちの心の機微や場面展開など、作品を掘り下げる質問が投げ掛けられます。物語の構造や情景に散りばめられた作者の意図を検討する中で、自分と価値観の異なる人々や事物に対して、積極的に理解しようとする姿勢が養われました。また、日本語とは言語的性質が大きく異なるフランス語の学習により、物事を論理的に捉える思考法も身についたと思います。フランス語圏の文化について更に理解を深めるとともに、それらを学ぶことで自分自身の視野を広げたいと考え、卒業後は大学院に進学します。ゆくゆくは日本の文化を海外に、海外の文化を日本に伝えるとともに、立場の異なる人々の心に寄り添うことのできる人になりたいです。

専門分野を究める

広域文化コースゼミナール

視覚障害者を主人公としたエルヴェ・ギベール作の小説『盲人たち』を、フランス語原文で講読。芸術作品における「見ること」「見ないこと」にかかわるさまざまなテーマについて思索していきます。

※所属・肩書等は取材当時のものです。