史学科|古代の法令が語る時代背景を読み解く面白さ
2025.06.12
鐘江 宏之 教授、史学科4年

教員に聞く研究知
鐘江 宏之 教授
[専門]日本古代史
本ゼミでは弘仁・貞観・延喜の3代の「格」(律令を修正するために出された法令)を再編成した『類聚三代格』を精読しています。内容を辿っていくと、当時の社会にどのようなことが起きたために律令を修正しなければならなかったのか、その背景が見えてきます。社会の動きを掴む面白さがあり、現代日本を理解するうえでも役立つ視点ではないでしょうか。ゼミ生たちは頻繁に質問にやってきては、皆で発表の準備に取りかかるなど、意欲的です。学習を通して、自分の力で史料を探し出して分析し、結論を他者にわかりやすく伝える能力が養われていきます。この力は、どの分野でも活かせる素地として、卒業後も皆さんの役に立つはずです。
学生に聞く統合知
Y.Nさん
東京都・都立文京高等学校 出身
大学で学ぶ歴史は史実の暗記にとどまらず、多種多様な文献の解読や、時代的背景を考察できる点が魅力的です。とはいえ日本古代史という分野は史料が乏しく、希望していたテーマ通りの研究ができるとは限りません。そのような厳しい状況だからこそ仲間との意見交換が盛んに行われ、有用な史料の取捨選択ができるようになります。また、後世の人間が過去の出来事を記した文献には、政治的な事情から改変が加えられている場合があるので、いくつかの文献を比較して、根気強く真偽を判断する作業が必要になります。身につけた忍耐力や論理的思考力を、卒業後は営業アシスタントとして、円滑なサポートに活かしていきたいです。
専門分野を究める
日本古代史ゼミ(日本史演習)
日本の飛鳥・奈良・平安時代がどのような社会であり、どのようなことが起きていたのか、文献史料をもとに考えていきます。春・夏の合宿では日本各地の史跡や博物館を訪れ、現地の歴史に触れます。
※所属・肩書等は取材当時のものです。