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英語英米文化学科|他者や異文化を知り、「自分とは何か」と向き合う

2024.02.26

文学部 ゼミ紹介

田辺 千景 教授、英語英米文化学科4年

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教員に聞く研究知

田辺 千景 教授

[専門]アメリカ文学・文化研究

私が行うアメリカ文学・文化研究では、自分とは異なる時代や場所にいる「他者」に関する事象を自らの問題として捉え、考察を深めていきます。例えば、アメリカについて「自由で先進的な大国」という印象を持っている方も多いのではないでしょうか。しかし、性差別や人種差別などの課題に着目すると自由のイメージとは程遠く、今もなお根強い宗教観に基づく保守的な側面が存在することが見えてきます。ほかにも、児童文学とされる小説を作品の時代背景から丁寧に読み直すと、そこに隠された女性の権利を求める強烈なメッセージが見えてくることも。このように、新たな視点や言葉の隠された意味に触れることにより、視野や考え方が広がっていくところに本研究の面白さがあります。

学生に聞く統合知

R.Uさん

東京都・学習院女子高等科 出身

フェミニズムや現代でも残る男女の格差等に興味があり、研究テーマを「女性の自我の目覚め」に設定。今から100年以上前の時代における女性の自我の目覚めとはどのようなことを指すのか、また男性優位社会における女性の生き方とはどのようなものかを、ケイト・ショパン作『目覚め』という作品から読み解いています。文学を客観的に読み解くためのヒントとなったのは、田辺先生の「他者と私」という言葉です。「私」とは置かれた環境や社会の状況によってつくられるものであり、「自分とは何か」を説明するのは非常に難しいということを教えていただき、私の価値観が大きく揺さぶられたとともに、多角的な視点から物事を見る大切さに気づかされました。

専門分野を究める

英語文化コースゼミナール

黒人奴隷の歴史や現代も続く人種差別の問題。このようなアメリカの歴史や社会背景について、特定の人物や文学作品、歴史的な出来事に焦点を置いて研究することで、多面的なものの見方を修得します。

※所属・肩書等は取材当時のものです。