日本語日本文学科|いにしえの作品をたどり「夢」の描かれ方からその魅力を探究する
2025.06.12
千野 裕子 准教授、日本語日本文学科4年

教員に聞く研究知
千野 裕子 准教授
[専門]日本中古文学、物語文学
本ゼミで扱う作品は、ひとことで言えば「『源氏物語』の次の世代の物語」です。文学史に刻まれる傑作『源氏物語』の影響を大きく受けながらも、各作品がいかに独自の個性を出そうとしていったのかを解釈していきます。古典文学は千年読み継がれてきただけあって、何度読んでも新しい発見があり、ときには現代では考えられないような価値観を持つ人が登場することも。しかし、そういった人物との出会いこそが文学の楽しみです。どんな登場人物に対しても、共感せずとも理解しようとしてほしい。そうして育まれた柔軟性は、きっと生涯を通しての支えになるでしょう。「読む」という行為を通して、学生たちが他者への想像力を豊かにしてくれたらと思います。
学生に聞く統合知
M.Hさん
千葉県・県立長生高等学校 出身
幼いころから心の動きを美しい言葉にのせて表現する和歌や、現代とは異なる暮らしが描写される古典文学に関心がありました。大学ではそれらをより専門的に学びたいと思い本学科に進学。『万葉集』や『勅撰集』など異なる時代の作品を比較しながら、「夢」が和歌の中でどのように詠まれてきたのか研究しています。演習発表では、自身の考えを伝える際はもちろんのこと、質疑応答でも論理的でわかりやすい説明を意識。ゼミで培った筋道を立ててプレゼンするスキルは、実社会でも大いに役立つでしょう。将来の目標はドラマ制作に携わることです。奇想天外なストーリーや美しい言葉が登場する古典文学。大学で学んだその魅力をドラマと融合させ、素敵な作品を作りたいです。
専門分野を究める
日本文学演習
日本の文学史で「中古」と位置付けられる時代(平安時代)の文学を中心に取り上げます。和歌や日記、物語など、幅広いジャンルから自由にテーマを設定し、思索を深めていきます。
※所属・肩書等は取材当時のものです。