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哲学科|仏像の造形が映す往時の人々の思いを追究する

2024.06.10

文学部 ゼミ紹介

皿井 舞 教授、哲学科4年

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教員に聞く研究知

皿井 舞 教授

[専門]日本美術史

日本で信仰されてきた仏教では、礼拝対象である仏像や仏画が数多く造られてきました。演習では、こうした仏教美術のほか、人々の生活を彩ってきた絵画や工芸品を扱い、作品の真価を掘り起こします。古くから人々は、喜び・楽しみ・悲しみ・恐れなど目に見えない心のありようを言葉や形として表し、共有してきました。美術作品も例外ではなく、今を生きる私たちにその形を通していにしえの人たちの精神を伝えてくれます。現代に残る作品たちは、価値が認められて人から人へと受け継がれてきた稀有なものばかり。美術作品の研究は、その素晴らしさを次代へと伝える素敵な体験となるはずです。演習では、実際に作品を鑑賞する機会も重視し、美術館見学なども頻繁に行います。

学生に聞く統合知

Y.Kさん

東京都・都立狛江高等学校 出身

私の研究テーマは京都の三十三間堂の二十八部衆像です。二十八部衆は眷属像(本尊の護法神)で、その造形は、しばしば決まり事から逸脱します。そうした逸脱がどこから生まれたのか、当時の文化的背景なども視野に入れ仏像における図像形成のプロセスを考察しています。演習を通して学んだのは、アウトプットと客観的な視点の重要性。頭の中のアイデアをいざ書き起こしてみると、論理の破綻や主張の偏りに気づくことが多々あります。これらの学びは日本美術の知識を深めるだけでなく、自身の長所と短所を再認識し、不足を補うための絶好の機会になりました。卒業後は大学院へ進学し、より専門的な知識と幅広い能力を修得したいと思います。

専門分野を究める

美術史演習Ⅰ

仏像や仏画をはじめとした日本の美術工芸品を研究対象としています。座学にとどまらず、美術館見学や調査・講演会といった、実際の「モノ」や「人」に触れる機会も重視しています。

※所属・肩書等は取材当時のものです。