英語英米文化学科|人や文学を形作る文化的・社会的背景を大切にする
2024.06.10
吉野 由利 教授、英語英米文化学科4年
教員に聞く研究知
吉野 由利 教授
[専門]近代イギリス文学・アイルランド文学
18・19世紀の英文学は、誰もが作家になれる可能性が増大し、飛躍的に発展しました。特に、女性や植民地の元奴隷等の社会的弱者が書いた小説は、イングランドのエリート男性中心の視点を相対化し、私たち現代の読者の琴線にも触れる多様性を内包しています。当時の社会・文化背景の検証も新たな発見の連続で刺激に満ちています。時代と国境を超えて読み継がれてきた優れた作品と原語で向き合うことで、語学力と審美眼も自然と鍛えられます。ゼミで学ぶ登場人物の冒険や生き方は、きっと皆さんに多くのインスピレーションを与えてくれるでしょう。研究を通して得た広い視野と柔軟な発想力は、AIと人間が共存する未来の国際社会で、大きな支えとなるはずです。
学生に聞く統合知
A.Yさん
北海道・北見藤女子高等学校(現・北見藤高等学校) 出身
英語圏の文学や歴史を幅広く学んだ後に、専門性を深めるというカリキュラムに惹かれ、本学科へ進学しました。4年間の学びを通して実感したのは、土地の文化やその時代の社会情勢が人々の考え方に色濃く影響するということ。例えば、英文学作品に対して考えをまとめるゼミの課題では、作中の場面と社会的・歴史的背景を紐づけることで、作者の意図を考察することができます。また、同じ作品の研究でも、ほかの学生には自分とは全く違うポイントが見えているときがあり、一人ひとりのこれまでの人生が個人の考え方を形作っているのだと改めて感じます。誰もが異なるバックグラウンドを持っていることを忘れず、将来は多様性を尊重しながら海外で活躍できる人材になりたいです。
専門分野を究める
英語文化コースゼミナール
名誉革命から19世紀末の英文学と近現代児童文学を、歴史的・社会的観点から論考。英語圏の大学や博物館が提供する資料や学術データベースの活用など、国際的に通用するリサーチ能力の涵養も目指します。
※所属・肩書等は取材当時のものです。