ドイツ語圏文化学科|訳文の違いから、文化的背景を踏まえた異文化理解と「伝わる文章」を考える
2026.06.17
犬飼 彩乃 准教授、ドイツ語圏文化学科4年
教員に聞く研究知
犬飼 彩乃 准教授
[専門]現代ドイツ文学、翻訳論
海外ニュースやウェブサイト、翻訳ツールなどで、私たちは日常的に多くの翻訳文に触れています。しかし、原文と訳文の間には、目に見えない「ずれ」が潜んでいます。本ゼミではドイツ語の文芸作品を題材に、原文と日本語訳を比較します。言語構造や文化の差異、翻訳の歴史を探る中で、「伝わる」テクストとは何かを考えます。研究の醍醐味は、自分の気になる「なぜ?」をとことん突き詰めることです。そのため学生たちには、自主的な発言や課題設定を重視するよう伝えています。議論を重ねるごとに、分析力があがり新しい切り口を示す学生の姿に頼もしさを感じます。答えが明確でない現代だからこそ、情報を鵜呑みにせず、自分なりの見方で課題に向き合う力を養ってほしいです。
学生に聞く統合知
S.Hさん
茨城県・つくば国際大学東風高等学校 出身
同じ作品でも訳者によって印象が異なることに興味を持ち、ドイツ文学の翻訳を比較・分析しています。原文と訳文を読み比べると、訳者独自の解釈や当時の歴史的背景まで浮かび上がり、この研究の魅力を実感しました。翻訳は単なる言葉の置き換えではなく、文化や思想の橋渡しをする営みだと考えています。最初は文献の解読に苦労しましたが、先生やゼミ仲間と議論を重ねるうちに、視野を広げて物事を粘り強く考える力も培うことができました。また、グループワークでは役割を分担し、成果をひとつにまとめ上げる協調性も向上。身についた多角的思考力と協調性を活かし、卒業後は公務員として、人々の声に真摯に耳を傾け、公平で柔軟な施策の実現に取り組みたいです。
専門分野を究める
文学文化コースゼミナール(1)
ドイツ文学の名作を日本語に訳出する際の表現や意味の違いを比較・分析し、作品の時代背景や文体・ジャンルの特徴に基づいた最適な翻訳方法を考察します。

※所属・肩書等は取材当時のものです。